秋の花粉症の症状とは?原因と時期はいつまで?喉の痛みや咳の対策
冬の終わりから春近くなってくると、あちこちから「花粉症で」という声が聞こえてきます。「今日は飛んでいますね!」「今朝はひどいですね!」というのが挨拶代わりになったりもして、花粉症は早春の風物詩のようにさえなっていますね。
ところが。秋にもあるのです、花粉症が。
真夏から秋口、そして秋真っ盛りの頃にかけて、症状は春のそれと同じような、いえ更に酷い症状が出る場合さえもあるのですが、世間では余り知られていなく、風邪として見過ごされている場合も多いようです。
●秋になぜ花粉症になる?原因はスギ以外の植物?
●時期はいつから?ピークと終わる時期はいつまで?
●秋の花粉症の症状。ブタクサによる症状の特徴は?
●辛い症状を対策するには?病院で薬は処方される?
ここでは、これからの夏から秋にかけての花粉症について、調べたことをまとめてみますね。毎秋、お心当たりのある方は要チェックです。どうぞよろしくお付き合いください。
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秋になぜ花粉症になる?原因はスギ以外の植物?
秋の花粉症、少しずつ言われるようになってきましたが、まだまだ「春の」ほうが有名ですね。でも実は私自身、もう随分と前から秋の花粉症に悩まされていました。
春にもあることはあるのですが、私の場合はスギでもヒノキでもなく、草花系の何かです。
そう、花粉症はスギとヒノキが一番に挙げられますが、それには理由があります。ちょっと脱線しますが、そもそもの花粉症の歴史についてお話ししましょう。
花粉症は、古代エジプトの記録に残っているほどに古くからあるアレルギー疾患。ですが日本では近代になるまで花粉症はないとされていたんです。
日本で初めて花粉症例が見つかったのが、第二次世界大戦後です。進駐軍が持ち込んだ「ブタクサ」の花粉によるアレルギーでした。
その後、1960年代になってから「スギ花粉症」が発見されました。それが離島などを除く日本で一気に増えたのです。
1960年以降、スギ花粉症が急増拡散したのには理由があります。
第二次世界大戦後、戦後復興と都市化対策のために木材が大量消費されました。そのため、当時の農林水産省は全国での林業の拡大と造林を国家急務としました。
その際、木材としての利用価値と育成の良さが買われて、「スギ」「ヒノキ」の植林が大規模に行われたんです。それがちょうど一斉に育って、10年15年が経過した1960年代以降の大量の花粉飛散へとつながったのでした。
一方で、せっかくそんなに植えた「スギ」と「ヒノキ」。じゃぁどうして使わずに今も森林にこんなにあるのさ! と思いますよね。
それが。戦後復興を終え高度成長期を迎えた日本は、高価な国産木材よりも、海外の良質でしかも価格の低い木材を輸入するようになってしまっていました。
また社会が都市化し、第一次産業が廃れました。林業も目に見えて衰退し、森林管理ができなくなったのです。
そういう次第で、日本にはもともとの植生ではないスギやヒノキの森林が大量に存在しているんだそうです。ひどい話ですよね~。
でもそういう歴史を知ると、ふむふむそうであったのか!大きな大戦の後の日本ががむしゃらに復興を目指してがんばったんだよなぁ!なんて全く別のところで感慨したりします。
いやいやいや、そうではなくて! それで今や国民病のようにスギ・ヒノキの花粉症が蔓延っているのです。国家あげて植林したなら、国家あげて何とか後始末もしてよ!とも思います。無理なんでしょうか。
話を戻しましょう!そういうわけで、スギとヒノキの花粉症が最も多く代表的なものになってはいますが、実は最初に国内で発見されたという「ブタクサの花粉症」というのを思い出してください。ブタクサとはなんぞや?
ここで「秋の花粉症」のお話しにつながりますよ~。そう、ブタクサは秋の植物なんです。
北アメリカ原産のキク科ブタクサ属の一年草です。1メートルほどの高さに育つ草花で、日本への伝来は上記のように戦後とも明治初期とも言われていますが、アメリカから持ち込まれたことは確かです。
またアメリカでは花粉症といえばこのブタクサ花粉症で、国民の10~15パーセントは症状を持つそうですよ。日本国内でもブタクサはスギ、ヒノキに次ぐ3番目に発症数の多いアレルゲンなのだそうです。
このブタクサは、繁殖力と適応力が非常に強く、全国の空き地・河川敷き・道端に大量に生育。8月から10月にかけて花粉を飛散させます。
またスギやヒノキのような高木と違って、都市部、しかも地面に近いところから花粉を飛散させ、アスファルトの道路で粉塵と混じりながら舞い上がられたものが風によって撒き散らされます。
秋の花粉症のアレルゲンは、他にも沢山あります。上記含めて、代表的とされるものを挙げてみますね。
【ブタクサ】
8月~10月に花粉を飛散させる草花。全国どこにでも繁殖しています。
【ヨモギ】
7月~11月。ブタクサ以上に抗原として強く、広く繁殖するので厄介です。草餅にすると美味しいのですが!
【イラクサ】
9月。北海道以外の森林に分布する50センチほどに育つ草です。
【カナムグラ】
8月~10月。道端や荒地、山地、森林、あらゆるところに育つ蔓性の草です。抗原性の高いアレルゲンです。
【イネ科】
2月~11月。ほぼ一年中なにかしらあるのがイネ科植物です。最も多いのは春ですが、夏から初冬にかけても第二のピークを迎えます。
それらに加えて、別のアレルゲンも秋に多く、特徴的なのが次の2つです。
昆虫
秋には蛾・ダニ・ユスリカ・ゴキブリなどの昆虫アレルゲンが増えます。屍骸や糞などが粉化したものが空中に多く含まれるからです。
カビ
空中に浮遊するカビ菌、空中真菌が秋口9月~10月に増え、アレルゲンとなります。なんだか恐ろしい話になってきました! 考えただけで鼻がむずむずしてきそうです。
時期はいつから? ピークと終わる時期はいつまで?
秋の花粉症、時期的には7月から始まるものがあります。もはや夏じゃん!とツッコミ入れられそうですが~。春の花粉症が1月中旬のスギから5月半ばのヒノキまでと言われていますから、もうほぼ年中休みなくということになりそうです。
実際、私自身は秋の花粉症も持っているのですが、5~6月に酷くなることがあるのです。
「初夏の花粉症」と勝手に呼んでいます。さらに年によっては夏の間もずっと症状があり、また9月の初秋に酷くなってそのまま秋の花粉症に突入!ってこともあります。
その原因を調べてみたら、やっぱり「イネ科の雑草」でした。イネ科の花粉症のピークは5月から8月。まさにドンピシャです。その頃の、初夏の花粉症は「カモガヤ」が原因となっている場合が多いようです。勿論イネ科の雑草です!
カモガヤは全国の河川敷きや道端、空き地などに多く生えています。その他のイネ科アレルゲン植物は次のものがあります。
【稲】そのものズバリの稲。開花の9月が要注意です。
【麦】6月。
【アシ(葦。ヨシともいいます)】8月~9月。川べりや湖べりに生育しています。
【ススキ】8月~9月。
【ホソムギ】4月~7月。空き地や道端などに生育しています。
【ハルガヤ】4月~7月。空き地や道端など。
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秋の話に戻しましょう。もはや春から秋までずっと花粉症があるということで、その境界線を引くのが難しい気もしますが、今回は引き続き、秋の「ブタクサ」を中心とした花粉症に焦点を当てますね。
秋の花粉症としては、7月から11月。ピークとなるのは8月~10月です。そして収束するのは11月ごろ。
幸い草類は一年草が多く、たとえ多年草でも種を結んだ後は根を残して枯れたようになりますので、季節の終わりには必ずきっぱりと収束します。
秋の花粉症の症状。ブタクサによる症状の特徴は?
秋の花粉症の症状についてですが、基本的には春のそれと同様の諸症状が現われます。
■目のかゆみや充血
■鼻水・鼻づまり
■くしゃみ
その他粘膜部位にかゆみが出たり、もともとアトピー性皮膚炎のかたは、症状が悪化したりする場合もあります。私は耳の中もすごく痒くなり、綿棒に耳掃除用の薬剤をつけてクルクルッとしてすっきりさせています。
■小林製薬のミミクリン
そしてブタクサによる症状として、気をつけなくてはならないことがあるんです。ブタクサは、スギ花粉やヒノキ花粉に比べて、その花粉の粒子が非常に小さいのです。
そのため花粉は鼻の粘膜や喉にとどまらず、気管支の中にまで入り込みます。咳がひどく長引くことが多く、さらに喘息に発展してしまう場合があります。咳がひどい、長く続く場合はなるべく早く病院で診てもらいましょう。
その際、病院や医師によっても風邪と判断されてしまうことがありますので、他の症状も提示し、花粉症である可能性が大きいことを伝え、検査を受けて正しい治療薬を処方してもらうようにしましょう。
なお、アレルギーが原因での喉トラブルの特徴3つを挙げておきます。
■喉がイガイガする
■喉が非常に痛い
■咳が出だすと止まらなくなる
これらの喉のトラブルがあれば、必ず受診し、喘息へと至らないように早いめに対策していきましょう。
辛い症状を対策するには? 病院で薬は処方される?
まずは予防対策です。予防策が3つありますが、いずれも簡単なことですので、実行してみてくださいね。
一番簡単で効果が大きいのが、アレルゲンとなる植物に近づかないこと
春の高木の花粉症とはちがい、草花が原因ですので、その花粉飛散の距離範囲は狭いんです。ですから、繁殖しやすい河川敷きや池や湖の土手、空き地、荒地やグラウンドなどの雑草の多い場所を避けるようにしましょう。それだけでも随分と効果がありますよ。
外出から帰宅をしたら、衣類や髪についた花粉を取り除くようにする
玄関に入る前によくはたいて落としましょう。靴底も軽くとんとんとしてから玄関に入る癖をつけてしまうといいでしょう。
家の中は窓を閉めて花粉などが入らないようにする
室内の空気を清浄にし、花粉や埃をシャットアウトすることは予防として有効です。
次に症状が出てからの対策ですが、もっとも大切なのは自己判断してしまわないこと。風邪として片付けてしまうと、熱が出ないので放置しがちです。
そうすると症状が悪化して長引くことになるほか、気管支炎を起こして咳喘息へ。咳喘息が悪化して真性の喘息に至ってしまう危険もあるからです。
それに、花粉症にはきちんとした薬を使用して症状を緩和するべき病気のひとつです。放置せずに受診し、検査を受けて、もっとも効果のある治療・療法を受けましょう。
それに市販薬を不安ながらに購入するよりも、医師の判断できちんと処方してもらうほうが「効く」と思えますし、診察料金は必要ですが、市販薬を購入し続けるよりも結果的に経済的となる可能性が大きいです。
病院で処方される薬としては、飲み薬・点鼻薬・目薬あたりかと思われます。薬に関しては春の花粉症と変わらないと思いますので、もし春の花粉症の処方薬をお持ちのかたは同じものでも構わないと思います。
飲み薬でポピュラーな処方薬は、「アレグラ」「ザイザル」「クラリチン」「ジルテック」その他多数あります。いずれも抗ヒスタミン薬ですが、それぞれに特徴があり、そこを医師が判断して処方してくれるんですね。
効き目が強いもの、効き目は弱い分体にやさしいもの、眠気を伴うもの、眠くならないもの、症状があまりでていないうちに飲むと有効なもの、症状が出てしまってからが効力があるもの、さまざまです。
また、人によって効き方はまちまちで、相性のよしあしが非常にある薬ですので、もしも飲んで合わない場合は医師に相談して処方しなおしてもらいましょう。私も一度処方された薬との相性が悪く、頭がボーっとして(眠いのではなく)体もだるく非常に無気力になってしまう、ということがありました。
3日ほど飲みましたが「これはダメだ」と思い、病院に行って別のお薬を処方してもらった結果、気力も戻り、症状も数日で治まっていったという経験があります。医師に遠慮せずに何度でも通い、自分にぴったりくる薬を探し当てましょう。
点鼻薬には、抗ヒスタミン剤の入ったものと、副腎皮質ホルモンの入ったものなどがあります。ヒスタミンとは、体にアレルゲンが入った場合に体内で放出される化学物質です。ヒスタミンがアレルゲンを攻撃し、それが高じて症状を起こすようになります。
そのヒスタミンの作用を妨害するのが抗ヒスタミン剤です。「サジテン」「リボスチン」などがありますね。どちらも使ったことがあります。
副腎皮質ホルモン(ステロイド)系の薬のほうは、ステロイドの強力な抗炎症作用や抗免疫反応の力を利用するものです。「フルナーゼ」や「ナゾネックス」などがあります。
私が今使っているのは「ミリカレット」という「フルナーゼ」のジェネリック薬です。私には合っていて数年使っていますが、副作用などはありません。
目薬も抗ヒスタミン、ステロイド系が主流で、抗ヒスタミン剤が入ったものでは点鼻薬と同じ「サジテン」「リボスチン」など多々出ています。ステロイド系では「フルメトロン」などがあります。
また、もともとスギやヒノキから始まった花粉症であったのが、あらゆるアレルゲンに対して敏感になり、ちょっとしたものにも反応するようになったために秋の花粉の多い時期にも症状が出る、ということもあります。
その場合はアレルゲンテストではっきりと「ブタクサ」や「ヨモギ」に反応は出ないかもしれませんね。
ですが初秋に、風邪でもないのに粘膜に症状が出る場合は、やはり花粉症・アレルギーと考えていいかと思います。酷くなる前に抗アレルギーのお薬を処方してもらって対処していきましょう。
【関連記事】
アレグラ市販薬と処方箋の価格はどっちが安い?ジェネリックの効き目
花粉症はかつては春先のものとされていましたが、もう1年中出る症状と考えておいていいくらいなのかもしれませんね。そして民間療法や対処療法ではなく、きちんと何が効くのかを自分で把握してコントロールできるようにしておくのが大切なのだと思います。
アレルギーは残念ながら一朝一夕に治ってしまうものではありません。生活の中でじっくりと向き合って、いかに楽に、いかに快適に暮らしていけるのかを考えてながら、きちんと対処していきたいと改めて思いました。
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