オクラの栄養とは?ネバネバ成分と効果。生と加熱では効能が変わる?
夏野菜の1つに「オクラ」という野菜がありますね。オクラという名前の響きが実に和名らしいですが、実は渡来野菜なのです。
「オクラ」は英名。「Okra」と表記されます。ちなみにアメリカでは「レディースフィンガー」と呼ばれています。エジプトでは2000年も前から栽培されていて、熱い国から来た野菜なので、もちろん日本では夏野菜です。
●オクラに含まれる栄養価と体にいい効能とは?
●オクラがネバネバする理由。成分による効果は?
●加熱すると栄養は減る?生と効能の違いは?
●オクラの効果的な食べ方やおすすめの調理法は?
今回は、オクラの栄養価や成分、効能についてお話ししましょう。最後のほうにはレシピもありますので、お楽しみに。
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オクラに含まれる栄養価と体にいい効能とは?
オクラの花は見たことがありますか?大きくて薄い黄色をしていて、夏にふさわしい太陽がよく似合う花なんですよ。
オクラ可食部100グラム中に含まれる成分は以下の通りです。
エネルギー
30キロカロリー
水分
90.2グラム
無機質
ナトリウム | 4ミリグラム |
カリウム | 260ミリグラム |
カルシウム | 92ミリグラム |
マグネシウム | 51ミリグラム |
リン | 58ミリグラム |
ビタミン
A β-カロテン当量 |
670マイクログラム |
K | 71マイクログラム |
B1 | 0.09ミリグラム |
B2 | 0.09ミリグラム |
葉酸 | 110マイクログラム |
C | 11ミリグラム |
食物繊維総量
5.0グラム
オクラは夏バテで弱ってしまった胃腸の回復を助けてくれるので、旬のおいしい時期(8月)に食べるのがよさそう。夏が旬の野菜には、オクラのような緑黄色野菜が少ないので、本当に貴重な存在なのです。こう見えてもスタミナ野菜なんですよ。
タンパク質の消化吸収をよくする働きがあるので、肉、魚、豆製品などと一緒にいただくと効果的です。
成分に含まれる「無機質」はミネラルを指します。ミネラルはごく微量の栄養素ですが、体の機能を維持したり、調節するときに欠かせないものです。
ナトリウムは神経や筋肉の興奮を静め、カリウムは心臓や筋肉の機能を調節します。カルシウムは骨や歯の形成、マグネシウムは体内の酵素に働きかけ、さらに活性化させているのです。
リンはカルシウムと同じように骨や歯の形成に欠かせませんし、糖の代謝に大きな関わりがあるのです。
ビタミン類も微量ですが、他の栄養素がスムーズに活性化できるよう働きかける、潤滑油のような働きをしています。そのため、ビタミン類が不足すると、食欲不振、倦怠感、軽い皮膚炎などの症状が現れることもあります。
不足する原因には、過度なストレスや激しい運動があげられます。日常生活をしていて、ストレスを感じたり運動量が多いと感じた時には、ビタミンを多く含む野菜類や果物をしっかり摂るようにしましょう。
オクラがネバネバする理由。成分による効果は?
ここからがオクラの本領発揮ですよ。オクラの最大の特徴であるネバネバ成分のお話が始まります。
ネバネバの正体は、ペクチンという食物繊維とムチンという糖タンパク質です。ペクチンには水溶性と不溶性がありますが、オクラに含まれるペクチンは水溶性です。
ペクチンは腸内の善玉菌を増やすので整腸効果があります。他にも血中コレステロール値を下げる効果があり、生活習慣病の予防にぜひ取り入れたい成分です。
ムチンはオクラだけではなく、山芋、里芋、なめこなどに含まれるヌルヌルの成分で糖とタンパク質の複合体です。
このヌルヌルで気管、胃壁の粘膜を潤し保護するのです。胃炎や胃潰瘍の予防、感染症の予防、タンパク質の消化吸収を助ける効果を期待できます。
肝臓や腎臓の機能を高める作用もあるので、結果、細胞が活性化されて老化防止につながります。また、消化促進、スムーズなお通じも期待できる成分です。タンパク質を無駄にしない働きは、スタミナ増強へとつながっていくんですよ。
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加熱すると栄養は減る?生と効能の違いは?
さて、オクラが持っている効能が健康維持のためにどれだけ大切かが分かった時点で、気になるのが保存方法や調理法です。
生食がいいのか、加熱したほうがいいのかは迷ってしまいますね。定番の保存方法は、硬めに塩ゆでして、ラップで包んで冷凍するようにします。
湯通ししないまま冷蔵庫や冷凍庫に入れてしまうと、夏野菜のオクラはすぐに傷んでしまいます。傷んだところは変色して柔らかくなってしまうので、保存するときには硬めに塩ゆですることをおすすめします。
ラップをするのは急激に冷やさないためです。
野菜ですから、栄養価を高く取りたい場合は生食です。が、調理の仕方やほかの食材との食べ合わせによって、オクラの効果をもっと引き出すことも可能なのです。
ちなみにペクチンやムチンは水溶性なので、保存の時に茹で過ぎてしまうと、せっかくのネバネバが減少してしまうので注意しましょう。お酢を加えてもネバネバが消えてしまいます。調理する際には気を付けましょう。
オクラの効果的な食べ方やおすすめの調理法は?
まず、良いオクラの見分け方です。オクラ表面の産毛が密集していて、濃い緑色、角のはっきりしている形の良いもので、柔らかいものが理想的です。
オクラの栄養を余すことなく食べるには、生食が望ましいです。ミニオクラという若取りしたものがあり、非常に柔らかくて生食向きです。
しかし、ミニオクラがいつもあるわけではありませんね。よく見かける定番のオクラでも刻んで何かと和えるだけで本当に美味しくて、体に良いおかずに変身するのです!
おすすめは、ネバネバを消さないように、いろいろなタンパク質と組み合わせて食べる方法です。ただ、前項でも書きましたが、お酢を加えるとネバネバが消えてしまいますのでご注意を。
ネバネバが苦手な人にもおすすめの調理法がありますよ。それは、食材をよく煮込んだトロトロスープです。ペクチンやムチンはスープに溶け出しますが、効能が消えるわけではありません。
大豆や鶏肉を加えてよく煮込むことで、タンパク質の消化吸収もさらに良くなります。そう考えると、オクラ入り夏野菜カレーはものすごく理にかなった調理法ということになりますね。
ムチンの効能を失わず、さらに健康、体力増強効果が期待できる食べ合わせ、考えられるお料理は次の通りです。
オクラ、昆布、なめこ、山芋、納豆、これらをめんつゆで和えます!
効能…滋養強壮効果、健康脳効果
昆布は水で戻したものを使用してもよいし、刻み昆布、糸昆布でも構いません。昆布茶の粉末でも構いませんが、塩分が高くなってしまうので、めんつゆの量を調節してください。オクラはよく刻んで、すべての材料をよく混ぜ、お好みでショウガやわさび、ネギなどの薬味を添えます。
ご飯の上でも構いませんが、もちろんそのままいただいても美味しいですよ。冷ややっこにかけると、タンパク質がさらに摂取できるのでスタミナが付きますね。
オクラ、ブロッコリー、白菜、シイタケ、トウモロコシ、夏野菜のスープに!
効能…がん抑制、肥満防止
どの食材も一口サイズに切っておきます。シイタケの軸は包丁で切るよりも、手で数本に割いたほうが、触感が残り、硬くなり過ぎずに美味しく食べられます。缶詰のトウモロコシを使用する場合は、ゆで汁も一緒に使いましょう。
スープのベースはお好みで。コンソメ、中華、塩、カレー、その時に食べたいスープベースにしましょう。白菜、シイタケ、シイタケ軸、(ブロッコリーの軸を召し上げる方はこの時に)先にスープで煮込み、食材が柔らかくなったところに、オクラ、ブロッコリー、トウモロコシを入れ、2~3分間中火で煮込みます。
ダイエットにもってこいのスープですが、物足りない方には高野豆腐をさいの目にしたものを一緒に煮込んでみてください。タンパク質も取れて、お腹も満足できますよ。
オクラ、ささみ、卵、牛肉、豚肉 いろいろなタンパク質を摂取しよう!
効能…免疫力向上、スタミナ増強
なかなかチャレンジ精神の高い食材を選んだと思います。野菜はオクラのみ、あとはすべて動物性タンパク質ですから。でも、この組み合わせが免疫力とスタミナをつけるお手伝いをしてくれるのです。
牛肉と豚肉は豪快にたたくか、あいびきになっているものを選んでハンバーグにしましょう。この時に卵も入りますしね。ささみはゆでてほぐし、刻んだオクラとさっとあえて好きなドレッシングでいただきます。
この組み合わせは、糖質が意外に低いので、ダイエット中の方にもおすすめできますが、カロリーは高いですから、食べ過ぎにはご用心、です。ドレッシングのお酢がきついと、せっかくのネバネバが消えてしまいますのでお気を付けください。
この食べ合わせはかなりボリューミーなので、小食の人にはオクラとささみの和え物だけでも十分です。これにシラスを加えるとさらにいいですよ。
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