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日本脳炎の予防接種。副作用の症状とリスクは?間隔と時期まとめ

2005年のニュースで、古いタイプの日本脳炎ワクチンによって重篤な副反応が出た可能性がある症例が紹介されました。

 

この症例をきっかけに国は日本脳炎の定期予防接種を見合わせると発表したため、ワクチン接種を控える子ども達が増え続けました。その後、新たなワクチンの開発がすすみ、2011年には再び定期接種が再開されました。

 

しかし、以前のニュースの影響もあってかいまだに、副作用への不安をもつ人、時期を逃して接種を忘れている人も多く以前に比べ接種率が下がっているようです。そこで、今回は、

 

●日本脳炎とは?症状と後遺症について
●予防接種は必要?年齢と時期。間隔について
●副作用・副反応のリスクは?発熱、嘔吐ほか
●日本脳炎の予防接種で副作用が続く期間は何日?

 

といった内容で、日本脳炎という病気について、予防接種の必要性についてまとめてみたいと思います。よろしければ参考にしてみてくださいね。

 

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日本脳炎とは?症状と後遺症について

まず、日本脳炎とはいったいどういう病気なのでしょうか。

 

主な感染源はブタで、日本脳炎ウィルスに感染すると、ブタの体内でウィルスが増殖します。このブタの血液を蚊が吸って、その後人を刺すことによって、日本脳炎ウィルスに感染してしまうのです。

 

日本脳炎の予防接種。副作用の症状とリスクは?間隔と時期まとめ

 

ただし、人から人にうつることはありません。また、実際に感染しても日本脳炎を発症するのは0.1~1%で、ほとんどの人は無症状で終わります。

 

このデータだけみると、発症する確率が低いから怖がらなくてもいいのかな、と思ってしまいます。しかし、日本脳炎は発症した場合、とても重症化しやすいので注意が必要です。

 

 

<症状について>

感染後、6~16日間潜伏し体内で増殖したウィルスが脳や脊髄に入ってしまうと、数日間の高熱(38~40℃以上)体のだるさ、頭痛、吐き気があらわれます。

 

子どもは腹痛、下痢をともなうことも多いです。その後、首の後ろの硬直、眩しがるなど意識障害とともに、手足の震え、麻痺症状が出るようになります。

 

脳炎が進行すると、脳が腫れて痙攣や呼吸困難を引き起こします

 

一度発症してしまうと、20~40%の人が亡くなってしまうといわれています。また、助かった場合でも、45~70%の方に精神障害などの後遺症が残ってしまうといわれています。

 

 

<後遺症について>

日本脳炎を発症してしまうと、やはり子どもや高齢者が亡くなる確率が高く、また、子どもは重度の障害が残ることが多い病気です。

 

後遺症としては、パーキンソン病のような症状、痙攣、麻痺、精神発達の遅れ、精神障害などが報告されています。

 

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予防接種は必要?年齢と時期。間隔について

世界的には年間3~4万人の日本脳炎患者がいるといわれていますが、日本ではもう何年も年間の感染者数が10人以下で落ち着いています。

 

これは、ワクチンの普及、網戸の普及などで蚊に刺される機会が減ったこと、感染源であるブタが身近にいる環境が減ったことがあげられています。

 

こんなに感染者が少ないのだから、日本脳炎の予防接種は受けなくてもいいのでは?と思う人もいるかもしれませんね。

 

 

しかし、さきほどから紹介したように、一度日本脳炎を発症してしまうと亡くなる確率が比較的高く、45~70%の確率で後遺症が残ってしまいます。これは症状が現れた時点ですでに脳細胞がダメージを受けてしまう為です。

 

完治が難しく後遺症が残る確率は30年前と比べてあまり変わらないのが現状です。それだけ、治療が難しい病気だということを覚えておきましょう。

 

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こういったことからも、日本脳炎は、発症する前の予防がとても大切になってきます。

 

日本脳炎を予防する不活化ワクチンは、有効性が高いことが証明されていて、日本脳炎にかかる確率も75~95%減らすことができるので積極的な接種がすすめられています。

 

 

また、厚生労働省による「ブタの日本脳炎ウィルス保持の調査」では、毎年多くの地域で日本脳炎ウィルスに感染したブタの存在が確認されており、同様に日本脳炎ウィルスを持つ蚊も発見されています。

 

東京都の調査でもワクチン未接種の児童から、日本脳炎抗体が検出されたという報告があります。つまり、日本脳炎ウィルスをもつ蚊にさされて感染している児童がいたということなのです。

 

この児童はたまたま発症しなかっただけで、ウィルスは存在しているということも意識して、なるべく蚊にさされないよう気をつけたいですね。

 

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とはいえ、予防接種が最大の予防になります。お子さんが生まれたら、他の予防接種と合わせて忘れずに受けさせてあげたいですね。

 

<日本脳炎予防接種スケジュール>

第1期
1回目…生後6か月から接種可能ですが、多くの地域では3歳からの接種となっています。
2回目…1回目の1~4週間隔に接種。
3回目…2回目の約1年後に接種。
※この3回の接種で基礎免疫をつけたことになります。
 
第2期9~12歳で1回接種。

 

3歳以下の接種はワクチン量が少ないため、免疫力をつける力が弱くなります。

 

ただし、周辺にブタが多く飼われているなど感染源が近い環境の方は、早めの接種も考えた方がよいので、かかりつけ医に相談されるとよいでしょう。

 

 

<特例措置について>

最初にも紹介しましたが、以前使われていた日本脳炎ワクチンの接種後に、重症例がおこったとして接種が一時見合わせ(積極的推奨の差し控え)となったことがありました。

 

その後、安全性の高いワクチンが開発され、2011年5月20日からは、再び定期接種が受けられるようになっています。

 

見合わせ期間のために接種しなかった人(1995年(平成7年)4月2日生まれ~2007年(平成19年)4月1日生まれの方)は、6カ月~20歳未満の間、いつでも日本脳炎の定期予防接種を受けることができるので、是非早めに予防接種を受けるようにしてくださいね。

 

参考サイト:日本脳炎 |厚生労働省

詳しくは上記厚生労働省のページ内に年齢ごとに詳しく紹介されています。

 

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副作用・副反応のリスクは?発熱、嘔吐ほか

予防接種につきものの副作用は、やはり心配になりますね。しかし、残念ながらどのワクチンでも副作用のないものはありません。

 

日本脳炎の予防接種の副作用としては、注射部位が赤くなったり、腫れたり、痛みが出ることがまれにありますが心配はいりません。

 

また、接種後二日以内の発熱が見られることもあります。発熱の割合は、第一期初回接種で約3%、第一期追加接種で約8%とわずかですがあります。

 

 

嘔吐や呼吸困難など重篤な症例報告もまれですがあります。ただし、別のウィルスのよる可能性もある事例で因果関係は不明とされています。

 

こうやってみても、他の予防接種と比べてもそれほど心配する副反応はないと考えていいでしょう。

 

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日本脳炎の予防接種で副作用が続く期間は何日?

日本脳炎のような不活化ワクチンはウィルスが生きていない状態なので、感染による副反応はありません。

 

ワクチンを異物として抗体反応を起こすことにより、副反応が起きるということになります。こういったケースの副反応は通常2日以内にあらわれますので、接種後2日過ぎて副反応がなければ大丈夫と考えてよいでしょう。

 

 

また、他の予防接種と同じくまれに重篤な症状があらわれる場合は、接種後30分以内が目安です。すぐに帰らず30分は待合室など近くで様子をみてあげましょうね。

 

1回目の接種後2日以内に発熱があった場合、2回目の接種は不安になってしまいますね。必ず医師に報告し、通常の範囲内の副反応なのかなど確認した上で、2回目以降の接種を相談していきましょう。

 

【関連記事】

インフルエンザの予防接種の効果と有効期間。副作用と子供の間隔。

 

予防接種といえばインフルエンザを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。上記記事ではインフルエンザの予防接種についてまとめていますので、是非とも合わせて読んでみてくださいね。

 

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