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アスペルガー症候群の子どもとの接し方。クラスの子との付き合い方は?

前回『アスペルガーの子どもの特徴とは? 原因や遺伝の確率。治る治療法は?』の記事で、アスペルガー症候群についての概要をざっと解説させていただきました。

 

自閉症スペクトラムの中でのアスペルガー症候群の位置づけ、いったいどういう障害なのかということはだいたい知っていただけたかな~と思います。

 

今回は、実際にご近所や学校で、仲間として一緒に過ごすに当たって、ちょっと知っておきたいことなどを考えてみたいと思います。

 

●地元の学校でのアスペルガーの子どもたち。特別支援学級と一般学級について
●同じクラスにアスペルガーの子がいるとき、どんな風に接したらいいの?
●親子で仲良くなりましょう! ~親御さんも悩んでおられます~

 

このようなことについて、お話しさせていただきますね。よろしくお願いいたします。

 

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地元の学校でのアスペルガーの子どもたち。特別支援学級と一般学級について

まず、特別支援学級についてご説明しますね。現在、ほとんどの公立小中学校で特別支援学級が設けられています。受入れ児童(生徒)のクラス分けには以下のものがあります。

 

■知的障害

■自閉症・情緒障害

■肢体不自由

■病弱・身体虚弱

■弱視

■難聴

■言語障害

 

知的障害と自閉症・情緒障害の2項で全体の80パーセント以上が占められています。全学年で、知的クラス数名・情緒クラス数名くらいの学校が多いのではないでしょうか。

 

アスペルガー症候群の子どもとの接し方。クラスの子との付き合い方は?

 

その他、肢体不自由や弱視など、その年度に入学する子どもによって、クラスが設けられたり閉鎖されたりします。クラス定員は7名~8名で、それを越すと更にクラス分けされます。

 

担任はクラスに1人ですが、到底1人ではフォローできないため、補助の先生が何人か入られます。ただし、時間制限のある先生が多いため、曜日制限や午前中のみなど、常にいらっしゃるわけではないのが現状です。

 

人手の足りない分、時間割の関係で時間の空いた先生が入るようにしたり、教務の先生が入られたり、各学校内で調整されています。

 

 

また特別支援学級の担任や関わる先生は、特別支援学校教諭の免許は必要でなく、小学校もしくは中学校教諭免許で対応できます。そのため特別支援の専門的な知識や経験を持つ先生ばかりではないのが実情です。

 

特別支援学級に在籍をする児童(生徒)は、一般学級にも自分のクラスがあります。「交流クラス」と呼ばれることが多く、科目によって交流クラスで授業を受けたり、ホームルームや給食だけを交流クラスの学級で過ごしたり、また運動会や文化祭などの行事の際に一緒に参加したりします。

 

障害が軽い場合は、学校での活動のほとんどを交流クラスでこなし、体育や算数、国語など、一般学級で受けるのが難しい科目だけを特別支援学級で受けるという子もいます。

 

特別支援学級在籍者に対して、学校側は個別支援計画という個人個人の障害や個性に寄り添った教育支援の計画を立てて、それに基いて教育を進めていくことになります。

 

保護者の希望を元に、学期ごとの目標、年間目標、将来こうなりたいという希望や目標などを立て、現状把握と目標達成への指導方法などを「個別支援計画表」として毎年作成します。

 

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これがあることで、進級や進学、転校で環境が変ることがあっても、きちんと流れを追って支援・療育を受けられることになります。また保護者は何度も「一から説明」しなくてもよく、大変助かるという利点もあります。

 

というように、教師と保護者がきちんと連携を組んで支え合っていけば、子どもに最良の教育・療育を受けられるようにはなっています。(特別支援学級在籍者だけでなく、障害があり必要と考えられる場合、保護者の希望がある場合には、基本的に個別支援計画を立ててもらうことができます)

 

そんな中で、アスペルガー症候群の子どもは、自閉症・情緒障害クラスに入ることになります。

 

 

普通の科目授業も各児童(生徒)の能力をベースに行なわれていきますが、障害への特別な療育もまた授業に組み込まれます。アスペルガーの子どもによく導入されるのが、SSTと略される「ソーシャル・スキル・トレーニング」

 

社会的スキル、つまり友達とどう付き合っていくのか、こういう時はどうしたらいいのか、相手が困っていたらどうするのか、など、状況を設定してはその場合の行動のとり方を細かく学んでいきます。専門の教材もありますし、自ら考案・自作される熱心な先生もいらっしゃいます。

 

また、視覚過敏や人のことが気になって仕方のない子どもには、パーテーションを設けて一人で学べるようにしたり、聴覚過敏の場合は静かな個室に移動したり。

 

行動の順番がわからずに混乱する子には、給食準備の流れの図解を教室に貼ったり。その日一日の行動予定を、それぞれホワイトボードに明記しているクラスもあります。

 

特別支援学級の教室を拝見すると、先生方の工夫がとっても活きているのがわかります。そして逆に、不熱心な先生、的外れな(療育に対する認識不足)先生の判断も出来てしまうのです…。

 

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さて次に、一般学級にも障害児の受入れがあります。そちらを見ていきましょう。

 

就学前の段階で何らかの障害が見つかっている場合、保護者、教育委員会、各学校との就学相談を経て、入学先を決定することになっています。さまざまな観点から考察し、専門の先生方からアドバイスを受けながら方向を決めていきますが、最終的には保護者の希望が最優先されます。

 

柔軟な心をもってアドバイスを聴き入れつつ、正直な希望をしっかりと話し合って、子どもにとって最も良い就学先を決定していきたいですね。

 

就学の2年前3年前から、あちこち動いて情報を集めたり、顔見知りを作っておくのはとても有効です。親が熱意を持っている印象を示すと、やはり行政の対応も違ってきます

 

待っているだけではなかなか公的機関は動いてくれない(市民に有効な情報を示してくれない)ので、無茶にならない程度に要望を伝えていきましょう。

 

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障害の内容と程度に関わらず、一般学級在籍を選択される親御さんも多くいらっしゃいます。その際、一般学級での学習だけでは不安な子どもに対して、「通級指導教室」に通うシステムがあります。地域や学区によっての有無や、教室数の問題でなかなか入れない場合もあるのが現状です。各学校に存在するのが理想なのですが…。

 

通級指導教室では、一般学級在籍の子どもを対象に、障害の状況を改善するための「自立活動」を中心にトレーニングを行ないます

 

必要に応じて各教科の補助的指導もしてもらえますし、障害に関わるさまざまな相談をすることもできます。専門の資格を持った教師が担当をしてくださいますので、発達検査などをそこで行なってもらえる場合もあります。

 

 

また、通級指導教室の親の会がある場合、同じ悩みを持つ親同士の交流の場や子どものリクリエーション、講習会や勉強会など、また担当の先生との懇親会など、親の輪を広げることができる良い機会も得られます。

 

通級指導教室の担当には、市の教育委員会から専門の知識を有した教師が配属されます

 

ですので、一般教諭担任の特別支援学級よりも信頼がおけるとして、敢えて「一般学級在籍で通級指導教室に通う」を選ばれる方もいらっしゃいます。(通級指導教室には、特別支援学校・特別支援学級の子どもは入れません)

 

保護者とお子さんが担当の先生と相性がとても良い場合など、それも良い選択かと思えます。ただ、通級指導教室の先生もまた公務員ですので、定期的に移動があります。なので在学中ずっとみていただけるかどうかは保障がないんです。あれこれ悩ましいことばかりですね。

 

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同じクラスにアスペルガーの子がいるとき、どんな風に接したらいいの?

今度は逆の立場で考えてみましょう。子どものクラスにちょっと変った子がいる。ということはしょっちゅうあることですね。

 

参観に行ったら、授業中にちょっとふざけた子に向かって、大声で怒り出した子がいて、驚いたことがある」、「教室移動や後片付けを伴う授業で、いつも遅れてジタバタしている子がいる

 

「国語の授業の始まりに『今日はお天気がいいので、先週のロングホームルームでできなかったドッジボールをしよう!』と先生が提案した際、ひとり机に座ったまま動けない子がいた

 

クラスメートに肩をポンとたたいて注意を喚起しようとしたら、大声で叫んでパニックを起こしてしまった。あとでゴメンネと謝ったら『なにが?』と言われて戸惑った

 

などなど。昔なら「ヘンな子」「変った子」として片付けられていました。今もどうしても目立ちますし、ストレスの溜まった子ども達のからかいや、それが高じていじめの対象となったりすることもあります。

 

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ですが、「この子にはこういう特徴があって、こういうところが苦手で辛いんだ、だからみんなで助け合って支えてあげよう」と担任教師がきちんと説明してその子の立ち位置を確保することで、子ども達は「からかう対象」「いじめる対象」ではないのだということを理解します。

 

そして教師は、その子がクラスメートから助けられるばかりではなく、逆に皆の役にたつこと、立派と思ってもらえるところを見出して、お互いに「支え合える」ように導いてくださるのが理想です。

 

そうすることで、障害を持つほうの子どもも自信を身に付けながら、クラスという社会で過ごすことを学習していけます。

 

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さて~、ではアスペルガーの友達とはどう接していけばいいのでしょうか。子ども達は、基本的に普通にしていて大丈夫なんですよ~。

 

ただ、今も書きましたが、先生のフォローは欠かせません。もちろん、特別視して庇ってばかりでは、却って他の子ども達の嫉妬を買ってしまいます。

 

悪いことをしたときは、皆と同じように叱る。いいことをしたときは、やはり同じように褒める。そのうえで、その子の不得手、理解しづらいこと、自己コントロールできないところを、さりげなくサポートする姿勢を子ども達に見せる、またはそれを促す。それを繰り返していくうちに、子ども達もそれを真似始めます

 

誰しも、日常の中でのトラブルは避けたいと思っていますよね。子どもだってそうです。特に小学生はクラスの中が世界の半分以上を占める印象だと思います。そこでトラブル回避の術があからさまにわかっている場合、試みようとする子が幾人か出てきます。

 

 

また逆に、そういう気遣いを見せる子ばかりでも、障害を抱えた子は息苦しくなってしまうかもしれません。適度に気遣う子、あっけらかんと普通に接してくる子、それなりにバランスしてクラス内が上手く収まっている、それくらいがいいのではないでしょうか。

 

私の印象ですが、クラスに障害のある子どものいるクラスのほうが、ひとりもいないクラスよりも学級崩壊などの問題が生じにくいように思えます。

 

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それは、子ども達の認識の効果と思われます。学級崩壊を起こすきっかけとなるのは、やはりクラスに幾人かいる、学級での学習に馴染めない子どもの存在です。

 

彼らが「こんな先生の面白くない授業なんか聴けないよ~、馬鹿馬鹿しいよ~」と授業中に他の遊びをしだすとします。先生の注意が届いているうちはいいですが、一旦届かなくなると、他の子ども達も「遊んでいいんだ」と感じてしまうのです。

 

先生の言うことを聴かなくてもいいんだと、強く認識しなくとも、なんとなくそんな風潮がクラスじゅうに蔓延し、あっという間に規律の保てない集団が樹立してしまうのです。

 

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ところが、クラスに例えばアスペルガー症候群の子どもがいるとします。先生はその子をクラスに受入れさせるために、皆に呼びかけ、その対策を練ります。その子が授業に集中しやすい環境を作ります

 

ここで注目すべきなのは、障害児に親切な環境は、一般の子ども達にもまたよい環境なのだということです。

 

余計なものが目に入りにくくする、わかりやすくていねいな言葉で話す、板書を端的に読みやすく書く、そしてなにより1人1人の子ども達に丁寧に気を配り、目を配る。

 

担任の先生は、クラスにアスペルガーの子どもを受け入れることによって、それらの緊張とプラスアルファの仕事を抱え込むことになりますが、それがすべて、クラス全員へ還元されることになるのです。

 

 

そして子ども達も、障害を持つ子どもに配慮することに気持ちの多くが使われます。

 

自分が身勝手な行動を取るよりも、優先すべきことが自然とそこに出来てしまい、適度な緊張感が続きます。そしていつのまにか集団的な向上心が生じる状態になるのです

 

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次に、具体的に気をつけるべきところを挙げてみます。ただ、アスペルガー症候群の傾向の出方は、まさに十人十色。その人その人の苦手なところを見極めて、フォローするところとその方法を考えていく必要がありますので、その都度考えてみてくださいね!

 

  • 基本的に集団行動が苦手です。大勢で遊ぶよりも、その子と2人か、仲の良い子が他にいる場合もできるだけ少人数で遊びましょう。

  • 気乗りしない遊びには誘わないようにします。無理に入ることは出来ますが、ストレスを募らせることになります。

  • 本気と冗談、単なる悪ふざけとケンカごし、そういう区別がつきにくいので、「これは冗談だから大丈夫だよ」など、口添えしてあげるといいでしょう。

  • 楽しくて興に乗ってしまうと、加減がわからなくて歯止めが利かなくなることがあります。「そのへんにしておこう!」とたしなめて止めることも必要です。

  • 遊びのルールを理解しづらい人には、丁寧に教えてあげます。もしくは、一緒に組んで参加することも、仲良くなる術ともなっていいでしょう。

 

そして、アスペルガー症候群の人の特徴として、人の気持ちを察するのが苦手な点があります。同時に、自分の心に裏表を作ることがなく、何でも正直に口に出してしまいます。そのため、本当のことをズケズケと言って、人の心を傷つけてしまうこととなるのです。

 

また、その場の雰囲気や人の表情を読み取れないため、悲しむべき場面で冗談を言ったり、笑ったりしてしまうこともあります。場に合わせた行動をとれないのです。

 

そういう、マイナス面に遭遇したときに、丁寧に注意してあげてください。信頼し好きな友人からの助言はアスペルガーの子にとっては宝物です。自分の言動が他人にどう捉えられているのかを、素直に知り、改善してゆく大切な機会となります。是非、伝えてあげてください。

 

「太った人に太っていると言うのは失礼でよくないことだよ」と具体的に注意をする。

どうして?と聞かれたら、「本人が気にしていることを人前で言うのは、相手を傷つけてしまうこと」と丁寧に説明する。

 

アスペルガーの子どもと一緒にいて、嫌だと思うことは素直に伝えましょう。その際、上記の場合と一緒で、丁寧にその理由を話すと、ちゃんと理解して対応するように本人は努力すると思います。

 

1度で改まらないこともありますが、何度か繰り返してみましょう。それでも治らないようなら、先生や親御さん(自分の親でも、アスペルガーの子の親でも話しやすい方)に相談するとよいと思います。大人を頼りましょう。

 

 

また、本人にとって衝撃的なこと、不安なことがあると、パニックを起こす場合があります。わがままで怒ったり叫んだり泣いたりしているわけではないことを、先生や大人から予め周りの子ども達に伝えてもらっていれば、必要以上に驚くことが避けられます。

 

そして、穏やかに対処することで、本人も落ち着くまでの時間が短縮していきます。

 

パニックを起こしたら、その場から静かな場所(できれば隔離された場所)に連れて行き、本人が落ち着くまで、付かず離れずのところで見守ります。 

本人が落ち着いたら、「なにが不安だったの?」「いやな事があったなら教えて」とその理由を話してもらいます。

それはしんどかったね」「それは不安だったね」とまず同意し、もし対処法のあることならば、「次からはこうしよう」「じゃぁ今度はこれはやめておこう」と次は大丈夫にしようという提案をして、期待できる未来のイメージをひきだしておきます。

 

 

親子で仲良くなりましょう! ~親御さんも悩んでおられます~

アスペルガー症候群、自閉症と聞くと、馴染みのない人はどうしても「うっ」と構えてしまうと思います。でも、実際に一緒に社会を過ごしてみると、そんなにびっくりするほどの違いはありません。

 

むしろ、共感の不足から辛い思いをすごしてきた彼らが、今こうして一緒に机を並べて勉強しているということに「すごいなぁ」と感心します。

 

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アスペルガー、ひいては自閉症の人は、実はもうひとつの自分の世界を持っていて、さらにこの社会にも対応すべくスキルを習得し、ここにいるのです。まるでバイリンガルな人!と思えてしまいます。

 

身近かにそういう子どもがいて、わが子と仲良くなるなら、お互いに学び合うべきことは沢山あると思います

 

健常児同士の友達関係ももちろん貴重で大切です。そして障害を持つ子どもと友達になるということは、もしかしたら世界の広がりとしては更に大きいかもしれません。いろいろと気遣うこともお互いにありますが、思い合える友達同士として、長く続くといいな~と思います。

 

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また、大人のアドバイスも沢山あげていいと思います。子どもだけで解決できないことは多いですし、可能でしたら、クラスの担任やその子の親御さんとも話す機会を持ち、できるだけ沢山の情報を得ながら、子ども達を見守りましょう

 

そしてできれば親子で仲良くなって、いろいろな方面から意見や思いを持ち合って、話せるようになればいいなと思います。

 

【関連記事】
アスペルガーの子どもの特徴とは? 原因や遺伝の確率。治る治療法は?

 

以上、アスペルガー症候群の子どもたちのことについて、いろいろとお話ししてきました。脱線ばかりで長くなってしまい、申し訳ありません。お付き合いいただいてありがとうございます。

 

今後また、障害のことについて、お話しする機会があればと思っています。その時はどうぞよろしくお願いいたします!

 

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